エンジンのあじ [バイク]
久々に乗って、感じたこと。
という harryさんの記事を読んでいて・・・
少し古いマシンの表現として 味がある なんて言い方があるけど・・・
それは、モノクロ写真や水墨画がみたいな感じなんだと思う。
例えば、風景写真をモノクロで撮る人は少ないと思う。
花の写真などもモノクロでは・・・
そういう写真は、色があってこそ華がある。
リアルに表現するなら色は必要で・・・
つまり、色味という物を含めて情報量が多いのだ!
だから、デジカメなどでは高画素数が必要になる。
それに比べて、モノクロや水墨画はやわらかく優しい・・・
スナップ写真や人物を作品にするならモノクロ独自の味わい深さというの
もある。
美しい色に誤魔化されないで・・・
構図の美しさや人物の表情が生きてくる。
情報量が少ない事により カド が取れた事で本質が見えてくる。
それは、表面的な力強さのインパクトにかき消されない芯の強さかもしれない。
それが 味 という物なんだろう・・・
やさしさと強さのバランスとも言えるかも知れない。
高画質デジタルカメラで撮影されてエッジがきいてリアルな立体感のある
ダイナミックな風景写真のシャープな美しさもあれば・・・
水彩画で描かれたやわらかいタッチで景色を描写して、ふんわりした奥行き
の美しさもある。
どちらが優れているという事ではない。
水に硬水と軟水があるように・・・
写真にも硬い写真と軟らかい写真がある。
音にも硬い音と軟らかい音がある。
そして、エンジンにも硬いエンジンと軟らかいエンジンがある。
どのバランスが好みかという事なんだろう・・・
シャープに吹け上がる硬いフィールのエンジンがあれば・・・
独特の鼓動感を伴ないトルクがやさしく盛り上って来るエンジンがある。
静かにモーターのように綺麗に回るエンジンもあれば・・・
荒々しい雄叫びを上げて凶暴にマシンを加速させる奴もある。
イロイロなマシンに乗ってみるとイロイロなエンジンの味が見えてくる。
初めて手に入れたマシンは250の非力で振動の多い単気等だった。
次のマシンは18000回転までモーターのように回る250の4気筒。
癖の無い優等生の4気筒400・・・
パワフルでシャープに吹け上がる4気筒900・・・
インジェクション化されてパワフルさが増した929・・・
マイルドでやさしくパワーが上昇するスクーター用のパラツイン・・・
セスナのような音で不思議なトルク感の1200フラットツイン・・・
まだまだ凶暴な4気筒エンジンの魅力が忘れられないが・・・
やわらかいエンジンの魅力も解るような歳になってきた(笑)
旅を楽しむのなら、優しく急かされないマシンの方が疲れない。
非力なエンジンで回転数を上げなければいけないのであれば疲れるが・・・
低速トルクが豊かで扱い易いエンジンが1番。
そういうフィーリングが自分の心情とピッタリマッチすれば・・・
思わずニヤケてしまうものだ。