中立を守る事の難しさ・・・ [雑談]
昔、損害保険に関係する仕事をしていた。
イロイロな保険会社から仕事をもらって代行する。
大事な事は中立を守る事・・・
依頼先の保険会社側に有利に事を運べば・・・
相手方の保険会社からは、次の仕事依頼が来なくなるかもしれない。
それだけではなく・・・
事故の後処理をスムーズに解決するには1番大事な事なのです。
『罪を憎んで人を憎まず』 の精神が・・・必要。
人は無意識のうちに自分を守ろうと・・・
自動的に正当化します。
事故の第一当事者(事故の主因と思われる側) に多くみられる傾向として、
自分を守る事に必死で、冷静に話し合いが出来ない事がある。
そこで、相手の態度を変えるのには・・・
絶対に事故の事を責めてはいけない。
自分が第三者として関わり、中立な立場を守る。
そして、敵ではない事を示す態度が重要な鍵になる。
敵ではないと理解した時に、初めて心を開いてくれる。
話し合いが進まない人は、ほとんど・・・
『自分は悪くない』と主張する。
こちらを敵だという気持ちで構えている。
構えているうちは冷静に判断できない。
例えば、処理した事故をあげると・・・
幹線道路の交差点で、頭を出して停止していた乗用車にトラックが衝突した。
乗用車側は一時停止の標識あり。
明らかにトラックの前方不注視が要因と考えられる。
当然、乗用車側は自分の過失割合が多いのが納得できない。
トラックの運転手は、会社に迷惑を掛けたからか・・・
次の日から連絡取れず。
トラック側の保険会社からの依頼は・・・
乗用車側の保険会社とは過失割合の話は付いているが・・・
乗用車のドライバーが納得していないので話をつけて欲しいとの事。
乗用車のドライバーは、自分が先に交差点に侵入して停止していたのに
納得できないと主張する。
自分はあまり悪くないのに、自分の過失割合が多いのが納得できないと・・・
そこで、過失割合について説明をした。
過失割合は、どちらが悪いという事を数字にするのではない。
あくまでも、道路状況をベースに交通法規から判断して・・・
事故が起きた事の責任を分担をする事。
そこで、もう1度ドライバーは
『私は先に頭を出して停まっていたから、そんなに責任は無いと思っている』
と主張した。
オイラは冷静に説明を続けた・・・
『道路状況から判断すると、優先道路はあくまでも相手の方なのです。
一時停止がある側の車両は基本的に優先道路側の車両の進行を
妨げてはならないのです。
優先道路に頭を突っ込んで停止する状況は、優先道路の進行妨害に当たり
先に交差点に頭を突っ込んだ側が優先とはなりません。
先に交差点に進入して停止していた事から、トラック側の前方不注視の分を
考慮して10%位は割合を修正しますが・・・
基本過失からの修正なので、優先道路側が有利なのは変わりません。』
この説明で、アッサリと納得してくれました。
賢い人は、このような話し合いで状況が前進します。
この方は、『あとは保険屋同士の話に任せる』と言ってくれました。
しかも、このドライバーは車両保険も加入しているので・・・
過失が変わらなくても金銭的な面は何も変わらないのです。
車両保険に加入していない人の場合は、修理代の自腹額が変わるので
アッサリ納得しない人が多いですが・・・
それでも、話合いが平行線になり決着が付かなければ車の修理も
進める事が出来ませんから・・・
結局、自分が困る訳です。
最終的に話を解決に導くのは、戦わない事ですね・・・
事実をただ事実として、冷静に客観的に・・・
まあ、その中立っていうのが難しいんですけどね(笑)